2023年4月から経営者保証を外していく
2023年4月から新規の借入時に経営者保証(社長の連帯保証)を求める際に銀行側から経営者へ説明義務が生じるようになる。またその説明した内容を銀行側は金融庁に報告する必要があるとのこと。
今後、銀行側は経営者保証を求めるのに少しハードルが上がると考えていい。コレはすっごい素晴らしい。
銀行の取組方針
この経営者保証についての取組方針はもちろん銀行によって違う。
山陰合同銀行はHPで方針を出している。
https://www.gogin.co.jp/newsrelease/common/attachmentfile/attachmentfile-file-3037.pdf
八十二銀行も同じく出している。原則、経営者保証を取りませんだって。
銀行は保全しか考えてない
銀行は信用保証協会枠を利用したり、不動産を担保にしたりした上であってもさらに社長個人の連帯保証まで負わせてくる。銀行側のリスクは実質ゼロ。これで回収不能リスクなんてあるわけがない。その一方で経営者には個人の連帯保証はもれなくセットでついてくる。
こんな保全が全てみたいな金の貸し方しかできないわけだから、会社は倒産してしまったら社長は7割が自己破産、これ現実。※東京商工リサーチ調べ https://diamond.jp/articles/-/317804
会社の倒産=社長の自己破産を意味する。自己破産すると自由財産は99万円以下の現金オンリー。誰がこんなリスク負ってまで社長すんねんと言いたい。
経営者保証はデメリットしかない
経営者保証があるがゆえにブレーキ踏みながらアクセル踏んで車運転するようなことになってしまってる。だから思い切った経営などできないし、事業承継だってスムーズに行くわけがない。
事業承継して新社長になったら、いきなり既存借入の個人連帯保証人にならされてメンタル絶好調な新社長なんているかよって。もしいたらバカだと思う。
万が一倒産すると自己破産がほぼ7割確定で、事業承継するといきなり多額の借入の連帯保証人にならされる。経営者保証が経済活動その他全ての意思決定において悪影響を与えるんでデメリットしかない。銀行側にのみメリットがあるクソみたいなもん。
2023年4月からこの経営者保証を外す交渉を銀行とやっていかないといけない。この件について腰が重い銀行は借り換えして思い切って縁切ったほうが良い。
こちらがメインバンクだと思ってて付き合いを大事にしていても向こうは全然そう思ってなかった、というのはよくある。取引先のことを考えてくれない銀行とは縁切ってしまったほうがいい。
既存借入の経営者保証を外していくには
業績が悪い会社だと経営者保証をいきなり外すのはさすがに厳しい。ざっくりやっておくことは以下。
- 純資産を積み上げていく(BS)
- 営業利益を黒字にする(PL)
- 会社の現預金を社長個人が使ったりしない(公私混同しない)
この3つは簡単にできることじゃないから長期計画を立てて3~5年かけてやっていくしかない。
BSの純資産を積み上げるのは難しいがこれが一番効果がある。しょうもない節税はせずに法人税をしっかり払って純資産を積み上げていく。このポリシーについては税理士としっかり擦り合わせが必要。
次にただ黒字にするんじゃなくて、営業利益ベースで黒字にすること。これもポイント。
最後は当たり前だけどオーナー社長だからと言って個人のカネと会社のカネを混同しないこと。これ結構やっている人多いらしいのでやってたらしっかり清算する。
保証協会付融資の経営者保証を外す際の注意事項
マル保はあんまし詳しくないけど、保証協会は会社にかわって銀行に代位弁済するだけなので、倒産しちゃったら保証協会が社長個人に返済を求めてくる。
マル保の経営者保証が外れるとなった際は、求償保証がどうなるのか、求償権の行使がされるのかされないのかその辺をまず確認しておいたほうが良いだろう。
法人と個人は別人格
法人と個人は完全なる別人格である。AさんとBさん。法人住民税払ってるし、個人でも住民税払ってる。完全に別人格なのである。
有限責任のはずの株式会社なのに、中小企業に限ってはほぼ無限責任となっていて中小企業の経営者のみがリスクを負うのは正直オカシイのである。
経営者保証は外していったほうがいい。やり方わからなければオレに聞いてくれ。
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